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【経営者・設備担当者向け】 製造現場の熱中症対策、費用負担を軽減する補助金・助成金活用ガイド

厚生労働省による労働安全衛生規則の改正に伴い、

2025年6月より、高温多湿な環境下での作業における熱中症対策が事業者の義務となります

製造現場においては、従業員の安全確保が最優先事項である一方、大規模な空調設備の導入や断熱改修には多額の投資が必要となり、経営上の大きな課題となっています。
本レポートでは、法改正への対応とコスト削減を両立させるための手段として、国や自治体が提供する「補助金・助成金制度」の活用について詳説します。制度の概要から具体的な対象設備、さらに省エネ効果の高い最新の遮熱技術についても解説します。

1. 補助金と助成金の違いと基礎知識
公的支援制度を活用するにあたり、まずは「補助金」と「助成金」の性質の違いを理解しておく必要があります。管轄省庁や目的が異なるため、自社の課題解決に適した制度を選定することが重要です。
区分
補助金
助成金
管轄     経済産業省、自治体など   厚生労働省、自治体など
目的    設備投資、技術革新、省エネ化などの事業成長支援
労働環境の改善、雇用維持、人材育成などの厚生支援
採択率  審査があり、採択率は30〜50%程度(予算上限あり)  要件を満たせば原則受給可能
支給額目安  数十万〜数千万円(大規模事業では億単位も)  数万〜数百万円

2. 熱中症対策に活用可能な主要制度(2025年度版)

工場・倉庫等の熱中症対策において、特に活用実績の多い4つの制度について解説します。申請要件やスケジュールは年度ごとに変更される可能性があるため、常に最新の公募要領を確認する必要があります。

(1) エイジフレンドリー補助金(厚生労働省)
60歳以上の高年齢労働者が安全に働ける職場環境を作るための制度です。「職場環境改善コース(熱中症予防対策プラン)」が設定されており、最も直接的に熱中症対策へ活用できます。
対象となる経費例
身体を冷却する機能を持つ服(ファン付きウェア等)
局所冷却装置(スポットクーラー、ミストファン)
休憩所の整備、送風装置の設置
※高年齢労働者(60歳以上)が常時1名以上就労していることが必須要件です。

 

 

(2) 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(経済産業省)
工場の省エネ化を目的とした代表的な補助金です。老朽化した設備を「高効率な省エネ設備」へ更新する際に費用の一部が補助されます。熱中症対策として空調設備を刷新する場合、省エネ性能が高い機種を選定することで対象となります。

 

 

(3) ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業(東京都)
東京都内の中小企業向け制度です。CO2排出量の削減を条件に、設備導入費が助成されます。削減率に応じて助成率や上限額(最大4,500万円)が変動するため、大規模な設備改修を行う場合に有利です。

 

 

(4) 業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(環境省・国交省)
既存建築物の断熱改修や高効率設備の導入を支援する制度です。外皮(屋根や壁)の断熱性能向上や、BEMS(ビルエネルギー管理システム)の導入が要件に含まれます。建物全体の温度管理を適正化する抜本的な対策に向いています。

 

 

3. 補助対象となる具体的設備とソリューション
補助金・助成金の対象となり、かつ現場の熱環境改善に効果的な設備は以下の5点に大別されます。

1.
高効率空調機器(設備用エアコン)
従来の空調と比較してCOP(成績係数)が高いインバータ搭載機など。省エネ補助金の要件を満たすには、一定の省エネ基準をクリアした機種選定が必要です。

2.
空調服(ファン付きウェア)
身体表面の気化熱を利用して冷却する作業服。エイジフレンドリー補助金の対象として認められやすく、即効性のある個人装備として普及しています。

3.
スポットクーラー
特定の作業エリアや作業者をピンポイントで冷却する可動式冷房。全体空調が困難な開放型工場などで有効です。

4.
屋根への遮熱シート施工
太陽光による輻射熱を反射し、建物内への熱侵入を防ぐ対策。空調負荷を大幅に低減できるため、省エネ系補助金の対象となるケースが増えています。

5.
機械設備への遮熱シート施工
乾燥炉やボイラーなど、熱源となる機械そのものを遮熱材で覆う対策。作業者の体感温度を下げると同時に、空調効率を向上させます。

4. 注目技術:高純度アルミ遮熱シート「サーモバリア」の有用性
設備投資の中でも、ランニングコスト削減と熱中症対策を両立する手段として「遮熱シート」の導入が注目されています。特にアルミ純度99%以上の高純度遮熱シート「サーモバリア」は、輻射熱の97%を反射する特性を持ちます。
導入効果の検証データ
実証実験において、屋根にサーモバリアを施工した場合、以下の効果が確認されています。
屋根裏温度の低下:
未施工時と比較して最大9℃低下
省エネ効果:
冷房消費電力を18〜27%削減
このように「環境改善」と「省エネ(CO2削減)」の双方に寄与するため、省エネ計算書を用いた補助金申請において強力な根拠となります。
製造現場に適した施工法
スカイ工法(屋根向け):
工場の折板屋根の上に遮熱シートを施工する工法です。屋根からの熱侵入を遮断するだけでなく、雨漏り防止効果も兼ね備えます。
フィット工法(機械向け):
乾燥炉などの発熱機器を、テント状に縫製した遮熱シートですっぽりと覆う工法です。熱源からの輻射熱を封じ込め、作業エリアの温度上昇を直接的に抑制します。

5. 結論とアクションプラン
2025年の義務化に向け、製造現場における熱中症対策は待ったなしの状況です。しかし、これを単なるコスト増と捉えず、補助金を活用した「省エネ設備への更新機会」と捉えることが経営視点では重要です。
補助金申請には、現状のエネルギー使用量と導入後の削減見込みを示す定量的データが不可欠です。まずは専門業者による省エネ診断や、遮熱シート導入時の温度低減シミュレーションを実施し、費用対効果を可視化することから始めていただくことを推奨いたします。
※本記事に掲載されている補助金・助成金情報は執筆時点のものであり、公募時期や要件は変更される場合があります。申請にあたっては各所管庁の最新情報をご確認ください。

   
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